キミと、世界の果てまで。



涙で滲む視界に映るのは、寛司の腕や身体を掴んでいる、先生達の姿だった。




「おい沖沼!お前文化祭のステージで、何やらかしてんだよ!」



「うるせぇ…!俺に触んな!」



「教師に口答えする気が?お前がそんな態度だったら、俺達も承知しないぞ」




生徒指導の先生の言葉で、一気に熱が冷めていくように冷静になっていく寛司。


そっと泣き顔のあたしを見ると、悔しそうに歯を食いしばった。




「ごめん…未来。俺、ついカッとなった」



「はい、赤羽に謝罪はいいから、まずはここから退場だ。着いて来いよ沖沼」




返答を耳に入れる事無く、体育館から強制追放されていく寛司を見て、あたしは心が苦しくなる。


胸元のカッターシャツを握るあたしを、レンは何か言いたそうな表情をしながら、無言で見ていた。




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