キミと、世界の果てまで。
Scene11 ハジメテの拒絶
暗く、視界がはっきりしない世界。
何度も見た事のある景色に、あたしの中の恐怖感は消え去り、その代わりに湧き出て来たのは安心感だ。
少し前へと進むと、今ではお馴染みの人の姿があり、あたしは暗闇に居るとは思えないような、希望に満ちた声を出す。
「クロス!」
「何だ」
「ぶっきら棒だよね、クロスって」
「別に関係ないだろう」
少し離れた所に立っていたクロスに追いつくように、あたしは小走りで駆け寄る。
辺りは相変わらず静寂を保っていて、あたしとクロスの声しか聴こえてこない。
そりゃそうか。
ここは、あたしが創り出している世界なのだから。
そう、夢なのだ―――
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