キミと、世界の果てまで。
「オキヌマカンジには、気をつけろ」
クロスの口の形が、その低くて逞しい声が、あたしの神経を通って、細胞中を蝕んでいく。
―――オキヌマカンジに、気をつけろ…?
明らかに、寛司の事を示していた。
「どういう事…?」
「オキヌマカンジには、要注意だ。今はそれしか言えない」
「クロス…よく分かんないよ、クロス!!」
「これ以上ミライに詳しい事は話せない。ただ、他の事は考えるな」
「え…?」
「ミライは最近、私情に振り回され過ぎている。今はただ、チャームを封印する事だけ考えろ」
私情に振り回され過ぎ。
クロスの言葉の先にある真意は、きっとあたしの心に芽生えてしまった、儚い恋心に向いている。
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