キミと、世界の果てまで。
きっとクロスは、恋なんかで悩んでいる暇など無い、そう言いたいんだ。
そんな浅はかな人間の感情に振り回されるな、お前はチャームを集める事が最優先なのだ、
クロスの言葉と共に、冷たい視線があたしに向けられる所を安易に想像できるのが、怖い。
ただ単純に、恐ろしく感じる。
「クロス…あたしに恋をするなと言いたいの?」
「そうではない。ただ、チャーム集めに支障をきたすのなら、無駄なモノだと言っているのだ」
「無駄って…そんな…!」
「ミライはその感情に振り回されてばかりいて、本来の使命を忘れてはいないか?」
本来の使命?
クロスの突然の質問に、開いた口が塞がらない。
「ほら、今のミライには答えられないだろ。…“大切な人を護りたい”んじゃなかったのか?」
「あ…」
すっかり大切な事を記憶から抹消していたあたしは、ギュッと作った拳を力強く握る。
チャームを封印する事となったきっかけの、大切で忘れてはいけない使命を答えられなかったなんて…
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