キミと、世界の果てまで。



文化祭で事件が起きてしまった事により、あたしはレンに寛司の事を伝えておくのを忘れていたのだ。


不安そうなあたしの表情に気が付いたのか、レンはフッと優しく微笑んだ。




「知ってる、カンジから聞いたからな」



「へ…?」




玄関で上靴を脱いでローファーに履き替えた時、レンがまんざらでもない雰囲気で口にした言葉に、あたしは固まってしまう。




「どういう事!?」



「や、文化祭の日にカンジの処分決まっただろ?」



「うん」



「その日にカンジの部屋に行ったんだよ。最初は俺も悪かったなと思って、謝罪に行こうとしてた」



「で、寛司に全部を聞いたと?」



「ああ。ミライが俺の正体を偽ってくれてる事もすぐに分かったから、一応話に乗ったけどな」




ダルそうにカバンを肩に担ぐレンは、大人びているけどれっきとした高校生に見える。


あたしはスクールカバンからガムを取り出すと、心を落ち着かせるようにしてゆっくりと噛み始めた。



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