キミと、世界の果てまで。
辺りをキョロキョロと見渡すレンを見て、あたしは「そういえば行き先教えてなかったなぁ」と逆に納得してしまう。
ある場所を無言で指で示すと、レンは顔を険しくした。
「あそこだよ、あたしの着いて来て欲しかった所は」
「あそこって…ミライ?」
「大丈夫だから。レンは心配しないで」
驚いているレンを無視して、あたしは表札の隣にあるインターホンを押す。
有無を言わせないあたしの行動に、レンは更に複雑そうな表情をした。
しばらくすると、インターホンから女性の声が聞こえてきた。久しぶりに聞くその声に、あたしの頬はつい緩んでしまう。
「はい?」
「あ、久しぶりですおばさん!あたしです、未来です!」
「未来ちゃん?やだ、久しぶりじゃないの!待っててね、今ドア開けるから」
インターホン越しに聞こえてきた女性の声、それは―――寛司のお母さんのモノ。
つまりあたしは、レンに着いて来て貰い、寛司の家へと向かったのだ。
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