キミと、世界の果てまで。
さすがに一人で此処に来るのには勇気がいった為、どうせなら同じ家に住んでいるレンに着いて来て貰おうと思い、今に至る。
無言のレンに何か話題を振ろうとした瞬間、控えめな音を立てながら、玄関の扉が開いた。
そこから出てきたのは、紛れも無く寛司のお母さんだ。
「わぁ!本当に未来ちゃんじゃないの!また一段と可愛くなったわね!」
「おばさん、お世辞上手いですよ!」
「本当の事なのに。あ、上がっていって!レンくんもお帰りなさい!」
寛司とは違い、フレンドリーで気さくなおばさんは、あたしとレンを玄関に通す。
おじさんもおばさんと同じような方だし、寛司は一体誰に似たのやら…。
あたしの半歩前をレンが歩く。すっかりこの家とも馴染めているようだ。
「未来ちゃん、ケーキ食べるそれとも―――」
「あの、おばさん!」
リビングに通そうとしてくれたおばさんを、あたしは言葉で制御する。
レンの視線を感じる中、あたしは控えめに尋ねた。
「寛司に、会えませんか…?」
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