キミと、世界の果てまで。



髪の毛を掻き上げ、色っぽくため息をつく寛司の姿は、普通の女子が見たらきっと鼻血モン。


…だけど、今のあたしからして見れば、ムカつく以外の何者でもない行動。




「…相変わらずなんだね、寛司」



「何か言ったか?」



「何でもありませーん!」




ベーッとあっかんべーをお見舞いするあたしだが、内心ホッとしていた。


あたしの目の前に居るのは、いつも通りの寛司だったんだから。



実を言うと、部屋から出て来ないという話を聞いてから、寛司は精神的にかなりやられているのかと思っていた。


よかった、本当によかったよ…。




「母さんとレンにも心配掛けたよな…。なんか悪い事したな」



「後で顔見せて謝っときなよ?」



「そうするわ」




スウェット姿の寛司は、とても閉じこもっていたとは思えないくらいに、元気そうな笑みを見せた。




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