キミと、世界の果てまで。
ペコリと頭を上げるあたしに、寛司は言葉も出ないようだ。
寛司が本格的にフラれるとでも思ったのだろうか。というか、そうとしか考えられないよね。
だけど、それは大きな勘違い。
「あたし、目が覚めたんだ」
「未来?」
「レンへの気持ちは認めるよ。だけど寛司も大切な存在なんだ。今は、この気持ちを消化させようとは思わない」
「それは、つまり…」
「うん。レンには告白するつもりもないし、寛司に返事も返さない。それよりもあたしが今しなければいけない事は、チャームを封印する事だから…」
クロスのペンダントを、あたしの手で優しく包み込む。
クロスとレンの言葉により、あたしは日本中、いや、世界中の人々の命を背負っているんだと、改めて気付かされた。
私欲を優先するなど、論外。
あたしは、自分の感情を犠牲にしてでも、みんなを護り抜かなければいけないんだ―――
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