キミと、世界の果てまで。



その後も、数秒間隔で寛司の部屋に漆黒のブラックホールが出現し、あたしや寛司を容赦無く攻撃してきた。


その度にあたしは寛司を連れて、部屋中を逃げ回る。


そして、逃げ回りながらも、あたしはある確信を持ち始めた。



―――こんな不可解な現象が起こるのは、チャームが原因としか考えられない。


そして、ブラックホールに吸い込まれたが最後、きっとチャームを封印するまでは、一生この世界に戻って来られないだろう。


ブラックホールは、光さえも抜け出せないような領域なのだから。




「寛司、危ない…!」



「うわっ!マジなんなんだよコレ!」




寛司の頭上スレスレにブラックホールが出現し、あたしは間一髪で寛司の腕を引っ張る。


このまま逃げ回っていても、ブラックホールは色々なモノを吸い込んでいくだけだ。


あたしはクロスのペンダントを取り出し、逃げ回りながらも力を開放した。




「Crossing and movement!」




途端にクロスのペンダントは杖に変化し、強大な力が身体中を突き抜ける。


寛司の腕を掴んだまま、あたし達は部屋を飛び出した。




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