キミと、世界の果てまで。
このブラックホールは、寛司の部屋だけに出現しているモノなのだろうか。
それとも、様々な場所で被害が出ているのだろうか。
どちらにせよ、レンにこの事を伝えなければならない。
寛司と共にドタバタと足音を気にせずに階段を降りて、リビングを目指す。
確かレンは、おばさんと一緒にリビングに居ると言っていたはず。
よっぽどの事が無ければ、レンは必ずリビングに居るだろう。
リビングに向かう途中に、何回がブラックホールに遭遇しながらも、あたし達は要約リビングに辿り着く事が出来た。
乱暴に扉を開けると、そこには目を塞ぎたくなるような、残酷な光景が広がっていた。
「嘘―――」
「レン大丈夫か!?」
ダイニングテーブルは跡形も無く崩れ、花を挿していた花瓶は割れ、その破片はちょうど出現したブラックホールに吸い込まれていく。
レンがソードを開放させて、必死にブラックホールを追い掛けている。寛司はレンの安全を確認した後、何かに気が付いたように呟いた。
「母さんが、居ねぇ…」
「え…っ!?」
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