キミと、世界の果てまで。
あたしが手を動かした事により、寛司とあたしの腕との間には距離が作られ、その結果
―――寛司は、一目散にブラックホールの方へと引き寄せられていった。
「ヤダ…寛司ーッ!」
どうしよう。
どうしよう。
寛司が漆黒の世界の中へと消えていく。
―――助けなきゃ…!
身体中を叩きつけるような風があたしを襲う中、そっとフェンスを掴んでいる手を離そうとした、その時だった。
「カンジは俺が助ける!ブラックホールの内部でも護ってみせる!だからミライ、後は任せたからな…!」
いつの間にかブラックホールの正面まで飛んでいたレンが、あたしにそう伝えてきたのだ。
レンの腕が、寛司と捕らえる。
翼から羽が抜け落ち、辺りに舞い散る。
瞬間。
ブラックホールは跡形も無い程に消え、レンと寛司は姿を消した。
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