キミと、世界の果てまで。
Scene13 ギブアンドテイク
姿を消したんじゃない。
―――レンと寛司は、ブラックホールの中に吸い込まれたんだ。
吸い込まれなかったであろう羽が、あたしの目の前に落ちてくる。
ひらり、ひらり。
ゆっくりと地面に落ちていく。
「レン…寛司ーッ…!!」
目から容赦無く零れるモノは、紛れも無く涙。
ガクン…と身体が崩れ落ち、あたしは道路の真ん中に座り込んでしまった。
力が入らない。
息が荒くなる。
あたしは大切な人を、護る事が出来なかったんだ。
ずっと傷付けたくない、そう心から思っていた人達を、自分のミスで手放してしまったんだ。
もう―――希望の光が見えない。
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