キミと、世界の果てまで。
Scene14 動き出す、現実



レンはいつだって、あたしの心を奪う犯人。


初めてレンを視界に入れた時も、サラサラの金髪に黄金のソード、銀色に輝く翼、全てがあたしの細胞を麻痺させた。



この間のキスだって、そう。


いくら額だとは言え、熱を持った唇の感覚は消えないままだし、自分なりにレンへの気持ちに踏ん切りを付けたつもりなのに…


レンはその決意を、意図も簡単に消し去った。



そして、決意が崩れ去っていくのを実感しながら、チャームを集め終わってから、恋沙汰は…というあたしの考えは、甘かった事に気付く。


この間のレンとの会話で、ある重要な事実を忘れていた事に気が付いたからだ。




―――レンは、異世界の人、

そして、全てのチャームを封印し終えたら、自分の帰るべき場所に帰ってしまう、という事。




そして。


そのチャームは、もうすぐ全てを封印し終えてしまうという事に、あたしはずっと気が付かないままで居たのだ。




レンと過ごすタイムリミットは、あとどれくらいなんだろう―――




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