キミと、世界の果てまで。
そうだよ、どう見てもあたしの考え過ぎだ。
レンにああいう事されたばかりだから、きっと恋愛ネタに敏感になっているだけなんだ。
「未来に朱里、お弁当此処に置いとくからね」
「ありがとうお母さん!じゃ、行ってきます!」
食パンを胃に流し込み、毎朝恒例のオレンジジュースで喉を潤したあたしは、お母さんの手作り弁当を手に、家を飛び出す。
あたしのお父さんとお母さんも、いつも通りだったし、どうって事ないよね、きっと。
そんな事をブツブツ呟きながら、あたしは見慣れた通学路を一歩一歩踏みしめていく。
ちょうど小さめの神社の前を通り過ぎようとした時、あたしは誰かに肩を叩かれた。
「朝から何ブツブツ呟いてんだよ」
振り返ると、あたしを子バカにしたような笑みを浮かべる寛司と、
「んま、そんな所がミライらしいよな」
ここ数日のあたしの悩みの元凶、レンが居た。
その笑顔が眩しすぎて、あたしはグッと唇を噛み締めた。
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