キミと、世界の果てまで。
―――ドンッ…!という音が、あたしの鼓膜を突き抜く。
何が起こったか分からない。いや、受け入れたくなかっただけなのかもしれない。
あたしの足元には、先程まであたしの隣に立っていた寛司が、お腹を抱えた状態で倒れていた。
そこで、あたしの思考は動き出す。
寛司はおじさんに、腹部を思いっきり強打されたのだ。
一瞬の出来事で、頭が着いていかない。
「もう俺はお前の父親では無い!お前への愛情は、ちっとも感じられなくなったのだからな!」
「父…さん」
おじさんは冷たい視線を寛司に向けると、寛司の背中にゆっくりと足を近付け…
思いっきり、寛司を踏み潰した。
「やッ…!!」
あまりの激痛に寛司は声も出ないのか、ただ目を開いてあたしとレンを見つめている。
助けて、とSOSを出している。
だけど…あたしは恐怖と相手が寛司のおじさんという事で、ただ寛司を見つめる事しか出来なかった。
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