キミと、世界の果てまで。



寛司が苦しんでいる姿を目に映している事により、自分自身の心に傷を付けている。



だけど、足が動かない。

手が動かない。


あの面白くて楽しかったおじさんに、立ち向かえない―――




「ミライ、ボーッとしてんなよ!」



「え…?」




放心状態だったあたしは、レンの起こした行動により、はっきりと目を覚ます。


レンはソードを鞘から出すと、寛司を痛めつけているおじさんに向けていた。



え…待って…

おじさんにソードを向けているという事は、レンはもしかして―――




「カンジを離せよ」



「おやレンくん?何だその刀は」



「ごちゃごちゃウッセーんだよ!さっさと目を覚ましやがれ!」




次の瞬間。

レンのソードはおじさんに向かって、大きく振り上げられた。




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