キミと、世界の果てまで。
Scene16 世界の果てまで
人々は一斉に去っていき、神社の境内にはあたしとレンと寛司の三人だけが取り残された。
枯れ葉が風で舞い、あたし達の元へ降りかかる。
スッキリとした風を感じながらも、あたしの心は何故かモヤモヤしていた。
―――チャームは全て封印した。
これでレンともお別れ。
そう分かってはいるのに…この心のつっかえは一体何なんだろうか。
何かがまだ残っている気がする。大切な事を忘れている気がする。
この煮え切らない思いは、一体何処から来ているのだろうか…。
「レン、とりあえず生きててよかったわ」
「勝手に俺を殺すなよ、カンジ」
あたしのモヤモヤは誰にも悟られる事は無く、レンと寛司はあたしの目の前で談笑を繰り広げている。
そんな二人の姿を目にしながら、あたしはずっとしかめっ面だった。
クロス…
あたしが確かに感じていた事は、間違いだったのかな?
.