キミと、世界の果てまで。



「背中が…背中が熱いッ―――!」



「寛司…どうしたのよっ!?」




我慢出来なくなり、思わず寛司に向かって声を掛けた瞬間、あたしは信じられない光景を目の当たりにしてしまった。



叫び声は消え、膝を付けている寛司の背中に、バサッ…と勢いよく翼が生えた。


レンの銀色の翼とは違い、純白の衣を纏った翼。



これは一体…




「本来の姿を取り戻したか、オキヌマカンジ」



「嘘…でしょ…?」




冷静なクロスの言葉に、あたしは口を開けて唖然とする。


これが寛司の本来の姿なの?


そして寛司の正体を、レンやクロスは知っていたの?




「ミライ、よく聞けよ」



「レン…」




レンは抱きしめていた腕を解き、あたしの肩を掴んで向き合う。その表情に、あたしは言葉を呑んだ。




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