キミと、世界の果てまで。
あたしはそっとチャームが乗っている手のひらを、太陽に向かって翳した。
「オキカ様…いや、寛司。あたしのお願い、貴方は叶えてくれますか?」
寛司の声は聞こえないけれど、それでもあたしの声は、寛司の元へと届いている気がした。
―――あたしの気持ちは、レンに届かなかったけれども。寛司の気持ちにも、あたしは最後まで答えてあげる事が出来なかったけれども。
出来る事なら、あたしはまたいつか、貴方達と巡り会いたい。
今度は同じ世界で、同じ制服を着て、同じ青春を、ずっと駆け抜けていたい。
そして―――今度こそは、異世界だとか色々な事を気にせずに、純粋に恋に落ちてみたい。
三人共同じスタートラインに立って、堂々と想いをぶつけられるようになりたい。
あたしが願う事は、ただひとつ。
「どうか来世でも、レンと寛司と巡り逢えますように―――」
チャームが透けて、消えていく。
願いを受け取ってくれたかは分からないけど、きっとレンと寛司は、空から笑っているハズよね?
これが、
あたしが最後に叶えたいと思った
純粋なひとつの願い―――
また、逢おうね。
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