キミと、世界の果てまで。
あたしはそんな寛司の隣に付くと、再び学校を目指して歩き出す。
ただでさえ目立つ外見をしている寛司は、他の人から怖がられる事が多い。
そんな奴の隣に、運動神経しか取り柄がないあたしが居る光景は、かなり似合わない組み合わせなんだろうな。
「何笑ってるんだよ」
「や、こっちの話」
そんな事を考えていると、かなりのデコボコぶりに、思わずクスッと笑みが漏れた。
―――楽しい毎日、
気の許せる友達、
あたしは、幸せに恵まれた世界で生きている。
「寛司ー!そんなにノロノロしてると、学校遅れるよー?」
「未来うっせーぞ!こうなったら、教室まで競争だ!覚悟しろよ!?」
この時までは、あたしは何も知らなかった。
世界中が怯える恐怖が近付いて来ている事に、
あたしの中の“当たり前”を失う事になるとは、考えてもいなかったんだ―――
.