キミと、世界の果てまで。



激痛に苦しむオキカ様を、神々や天使達はただ見守る事しか出来ない。


その光景は、最早助ける手段が無いという事実が、ハッキリと浮き彫りにされているようで、胸が締め付けられる感覚に陥る。




「最期に…ひとつだけ、いい…か?」



「オキカ様!これ以上喋らないで下さい!」



「いや、お前達神に…伝えなければならない事が、ある」




息が切れながらも、オキカ様はそっと天に向かって手を翳(かざ)す。


そして、発した。




「私が掛けた魔法の効力は…二千年だ。魔法の効力が切れると…地球には様々な厳しい試練が待ち受けている事だろう」



「試練、ですか…?」



「そうだ。どれだけ平和な世界の中に存在する事が幸せなのかを、改めて実感させられる試練が必ず待っている筈だ」




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