キミと、世界の果てまで。



この高校は、あたしの住んでいる町にたったひとつしかない唯一の高校なだけあって、町中の人達が通っている。


それでも人数は少なくて、各学年一クラスしかない、超が付くほどの過疎高校なのだ。



足早に教室に到着すると、いつもは静かなうちのクラスが、珍しく活気に満ち溢れていた。


掴んでいた寛司の腕を離して、ドアの所で立ち止まっていると、クラスの中でも一番中の良い、女友達の中田愛海(なかたあみ)が近付いてきた。


愛海ちゃんは、三十人しか居ないクラスの中でも比較的背が小さい子で、黒髪ロングの髪を、お団子にして纏めている。


癒し系、そんな言葉がお似合い、あたしとはまったく正反対の子だ。




「未来ちゃんに寛司くん、おはよう」



「おはよう愛海ちゃん…。みんな何かあった?」



「うん。うちのクラスに初めて編入生が来てね、みんな大騒ぎなんだ!」




そう教えてくれた愛海ちゃんは、ウキウキした様子で教室の一角を指す。


そこには顔は確認できないけど、クラスメートに囲まれた編入生らしき男子の姿があった。



そっか。

みんな編入生が来ると知って、こんなにもテンションが上がってるって訳ね。




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