キミと、世界の果てまで。



背伸びを再開させたあたしを、はぁ…とため息をついた寛司が、呆れたように見てきた。




「近付けばいいんじゃね?俺紹介してやっから」



「あ!その手があった!」



「というか、普通最初にそうするだろ」




そそくさと編入生に近付いていく寛司を、あたしと愛海ちゃんは急いで追う。


大股で、しかも早足で歩く寛司に、あたし達はぶつぶつと小言を零し始めた。




「普通女の子の歩幅に合わせるモノよね、愛海ちゃん?」



「そうそう。そんなんだから彼女出来ないんだよ、寛司くんは」



「ウッセーぞ!中田はまだしも、未来は女として見てやんねぇぞ!?」



「ちょ…何それ!差別だよ差別ー!!」




大声で口喧嘩を始めたあたしと寛司に、愛海ちゃんはともかく、クラス中の視線が集まる。


あれだけ編入生にメロメロになっていた女子も、「まただね、未来と沖沼くんの喧嘩」とでも言いたそうに、あたし達の事を見ていた。




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