キミと、世界の果てまで。
レンと知り合いという事がバレたら、寛司にもクラスのみんなにも質問攻めを受ける事は、目に見えていた。
面倒事は極力避けたいというあたしの性格上、少々手荒な手段を使ってでも、レンを連れ出して事情を聴きたかったのだ。
「そんなに、知りたい?」
「レン、ふざけないで」
真面目で、真剣な声。
やっとあたしの怒り加減に気付いたであろうレンは、そっと目を瞑ると、順を追いながら説明を始めた。
「まず最初に言っとくが、俺はカンジの従兄弟でも何でもねぇ。正真正銘、異世界から来た騎士だ」
「それは分かってるって」
「そうか。ま、俺は異世界から来たという事もあって、地球で俺は存在しない事になってるし、住む場所だってない訳だ」
確かにレンの言う通り、レンには住む家はおろか、存在自体ない事になっている。
どうせなら、あたしの家に泊めてあげればよかったかなぁ…?
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