キミと、世界の果てまで。
「レンくん大丈夫だった?」
「風邪引いてない?」
「大丈夫だから。心配してくれてありがとな、みんな」
教室に戻ったあたし達を待ち受けていたのは、レンの事を心配する、女子達の黄色い声。
ビショビショに濡れていたカッターシャツは、夏の暑さによりいつの間にか乾いていて、レンは笑顔で女子達に対応している。
あたしの時とは大違いの態度に、少なからず殺意を覚えてしまう。
「未来、お前レンに謝ったか?」
「謝ったわよ!」
本当は謝ってなんかないけどね、フン!と心の中で呟きながら、あたしは寛司と愛海ちゃんの方に近付いていく。
あたし達が居ない間、寛司と愛海ちゃんはずっと、女子諸君のあたしに対する批判を止めていてくれたらしい。
二人に申し訳なく思う反面、レンの存在の大きさに、無意識に苛立ってしまう。
「たく、どんだけモテモテなんだよ、レンは。俺の人気がレンに取られちまうじゃねぇか」
「大丈夫だよ寛司くん!」
「どうして寛司はそんなにナルシストなの…」
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