キミと、世界の果てまで。
「悪いなミライ。お前の体調に気付かないまま、カンジと二人で突っ走って」
「レンの言う通り、本当に悪かった…。歩けるか?未来…」
本当に、調子狂う。
ついさっきまであたしをからかっていた二人が、体調が優れないと分かった途端、急に手を差し伸べてくれるなんて。
どこのお姫様ですか、ってカンジだよ。
「二人とも、大丈夫だから…」
「未来…」
「でも一応気分悪いし、保健室行って来るね。レンと寛司は先行ってて!」
「お、おい…!」
あたしは半ば二人から逃げるように下駄箱へ向かうと、上靴を取り出して急いで履きかえる。
息苦しさとは別の意味で出てきた汗を拭うと、あたしは足早に保健室へと向かった。
―――レンと寛司と居ると、あの二人を狙って目を光らせている女子達の標的になりそうで、
とてもじゃないけど、視線に耐えられないんだよ…。
なんてあたしは、不幸な役回りなんだ。
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