キミと、世界の果てまで。
急ぎ足で保健室に到着したあたしは、思わず目を最大限に開き、近くに居た保健医の先生を見つめてしまった。
「あら赤羽さん、貴方も体調悪いの?」
「そ、そうなんですけど…一体どうしたんですか!?」
早足で保健室の中に入ると、独特の薬品の匂いがあたしの身体を刺激する。
それよりも、今まで見た事のない光景に、あたしは自分の体調の事を忘れ、ただ唖然としていた。
「それがねぇ…ここに居る人達みんなが、“心臓が痛い”だの“胸が苦しい”って言ってるのよ」
「あたしと同じ症状だ…」
あたしは人で溢れかえっている室内を、ゆっくりと見渡していく。
二つしかないベッドには、ギュウギュウ詰めで生徒が寝かされており、それでも足りない分は、床に布団やタオルケットを敷いて補っていた。
まるで、戦時中の病院みたい―――
「一体どうしたのかしら。先生も何だか気分悪くなってきたし…」
「せ、先生…?」
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