キミと、世界の果てまで。



突然フラつき始めた先生の身体を、あたしは床に寝ている生徒を踏まないように飛び越えると、素早く支える。


二十代前半の女性である保健医の先生さえ、自分の体調を上手くコントロール出来ないみたいだ。


あたしに支えられた先生は、段々と息遣いが荒くなっていき、苦しそうに胸を押さえ始めた。




「あか…ば…さん…ッ!!」



「先生!無理しないで下さいっ…!」




あたしは先生を生徒と同じように床に寝かせると、急いで保健室を飛び出した。



自分の苦しさなんて関係ない。

今は、比較的軽症のあたしが、みんなを助けないと―――!!



レンや寛司が居ると思われる教室には、階段を上がらないと辿り着く事が出来ない。


たかが二階だけど、今のあたしには究極の試練。


ハアハア…と激しい息切れを起こしながら、あたしはやっとの思いで二階へと辿り着いて、教室に向かって走り出した。




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