キミと、世界の果てまで。
言葉を発するだけで、辛い。
涙を目に浮かべ始めたあたしの背中を、寛司は優しく撫でてくれた。
「俺達も不審に思ってた」
「レン…ッ?」
「教室に着いた時点で、俺達二人だけだったんだよ、学校に来ていた生徒が」
どうやら、胸の苦しさはあたしの運動不足のせいではなかったらしく、原因不明の病気みたいだ。
たぶん生徒や先生みんなが、今日一日学校を休んでいるか、保健室で倒れたかのどちらか。
それにしても…
なんで二人は、息苦しさや胸の痛みを感じないんだろう…。
「未来、俺達は日頃から鍛えてて丈夫なだけだから、要らん心配はすんな!」
「寛司…」
「本当は話すのも辛いんだろ…!?今寝かせてやるから」
寛司の優しさが身体中に染み込んでいくのを感じながら、ふと窓の方を向いた。
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