キミと、世界の果てまで。



「―――ッ…!!」



「って、未来…?未来大丈夫かよ!」




寛司はあたしが発作を起こしたと勘違いしているらしく、再び優しい手付きで背中を撫でてくれる。


だけど、あたしは発作を起こした訳でも、容態が悪化した訳でもなかった。




「窓の方…見て…」



「え…?」



「いいから早くッ!二人とも…ッ…!」




瞬間、レンと寛司の整った顔付きが、一瞬にして崩れていった。


あたしの目からは、感情的な涙が溢れ出して、止まらなくなる。




「なんで…なんでよおッ…!」




あたしがこの町の誇りだと思っていた、緑の象徴―――森が、どんどん消え去って砂になっていく。


この町全体を覆いつくしていたモノが、一気に消え去っていく場面を、あたし達は目撃してしまった…。




.
< 84 / 312 >

この作品をシェア

pagetop