キミと、世界の果てまで。
この町で好きなモノは?と聞かれたら、あたしは間違いなく“自然”と答える。
何もない田舎に住み続けていられたのは、きっと大好きな環境がすぐ傍にあったから。
なのに…どうしてあたしから、大切なモノを奪うの…?
大好きだった爽やかな緑色をした草木は、今や濁った灰色をした砂へと変化している。
現実から目を背けたくて、あたしは目をキツく瞑った。
―――この残酷な光景から分かった事がある。
たくさんの数の生徒や先生が倒れた原因は、間違いなくこの自然崩壊のせいだ。
森は光合成により、二酸化炭素を吸収して、新鮮な酸素を放出するのだと、中学校の時に習った記憶がある。
その新鮮な酸素を吸う事によって、あたし達人間は生きていく事が出来るのだ。
今朝のあたしや生徒達は、緑が消滅していく事が原因で酸欠に陥って、呼吸をする事が困難になったり、胸が苦しくなったりしていたんだ。
町を覆いつくしている森全てが消えようとしているんだから、このままだとみんなが危ない―――!
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