キミと、世界の果てまで。
「え…?」
寛司を追いかけようとした瞬間、あんなに太陽が輝いていた空が、一瞬にして光を失った。
その代わりに訪れたのは…漆黒の、闇の世界。
周りを見回しても、闇に覆われていて、何も見えない。
「かんじ…?寛司、どこにいるのっ…!?」
先に自動販売機に旅立って行った寛司の姿も、確認する事が出来ない。
恐怖が身体中を巡り、震える声を必死に振り絞る。
それでも、寛司があたしの声に反応する事はなかった。
「ど…どうしよう…」
急に身体の力が抜けて、あたしはその場にしゃがみ込んでしまった。
上を見ても、下を見ても、右を見ても、左を見ても、全てが真っ暗。
好きだった自然いっぱいの景色、寛司が向かった自動販売機でさえ、あたしの瞳には何ひとつ映らなかった。
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