キミと、世界の果てまで。



小鳥の鳴き声も聞こえずに、今日の朝は静かだ。


空は雲ひとつなく快晴だと言うのに、少し視線を下げれば、そこには灰色の砂の世界。


空と、地上、この二つの風景は間違いなくシンクロしていなくて、あたしの心に容赦なくダメージを与えてくる。   




「レン…」



「何だ?」




あたしを抱えながら器用に大空を飛ぶレンは、目的地を鋭い目で睨みながらも、あたしの呼び掛けには微笑んで応えてくれる。


なんだか優しいレンに調子が狂うな、と思いつつも、あたしはしっかりとレンと視線を合わせた。




「あたし、絶対にチャーム封印するから」



「ミライ?」



「もうみんなの苦しむ姿を見たくないの!早くチャームを封印して、楽にしてあげるんだから…!」




騎士服ではなく制服のレンに違和感を覚えながらも、あたしはYシャツの襟元をギュッと掴む。


あたしの想いが伝わったのか、レンは今以上に優しく温かい笑顔で笑った。




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