キミと、世界の果てまで。
大量の砂が勢いよく舞い、空中を彷徨うあたしとレンをスッポリと覆いつくす。
まるであたし達を取り囲むように壁を作った砂は、燦々と輝く太陽でさえも遠ざけようと、上まで伸びていく。
予想外の展開に、レンは声を荒げた。
「な…どうなってんだよコレ!」
「わ、分からないって!でも今ハッキリとクロスの声が聞こえて、“俺を翳(かざ)せ”って言われたから…」
「だからっていきなり呪文唱える事はないだろ!」
「いいじゃん!というか、言い合いしてる暇なんかないでしょ!こうしてる間にも、あたし達砂に閉じ込められ―――」
言葉を発するのを止める。
ある事に気が付いたあたしは、顔色を変えてレンの顔を見つめた。
「レン、見て!」
「何だよ…?」
あたしはゆっくりと人差し指を上に向けた。
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