キミと、世界の果てまで。
あたしの指の動きに合わせて、レンの視線も少しずつ上へ上へと上がっていく。
呪文によって高く舞い上がった砂は、あたし達を取り囲むように壁を作った後、太陽の光を遮るように、ドームのような屋根を作っていたのだ。
森が全て砂に変わった事により、かなりの量の砂が存在していたハズなのに、それら全てがドームを形成している。
砂で作られたドームは、あたし達を見守っているように感じた。
「クロスの言葉は、正しかったんだよ…」
「だな」
きっとクロスは、砂の中に埋もれたチャームを見つけやすいようにしてくれたんだ。
地には一粒の砂も見受けられず、壮大な空間が広がっている。
レンはそっと地へと降り立つと、あたしの身体を地面へ降ろすと、自身の翼を一回だけ羽ばたかせた。
「俺の翼の風でも、ちっとも砂の壁は崩れねぇ。…どうやら、チャームは本気で俺達に戦いを挑んでるようだな」
「―――っ…」
レンの推測に、あたしは息を飲んだ。
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