愛して欲しいなんて言わない(番外編)
10年ぶりの再会
俺は高校卒業と同時に
家を出た

大学の近くでアパートを借りて
一人暮らしをした

親から解放された俺は
嬉しくて
自由気ままに
楽しい生活を送った

バイトをしたり
サークルの仲間と飲み明かしたり

もちろん恋愛もした

大学4年間は彼女がいない時期は
少しもなかったと思う

告白されれば断らずに
付き合った

別れたいと言われれば
文句に言わずに女と別れた

女たちは俺を好きだったと思う

俺は……
好きでも嫌いでもなかった

就職活動もそれなりにした

父親に猛反対されたが
最後まで俺は父親の言いなりには
ならなかった

絶対に父親と同じ道には
進みたくない

会社員になるつもりなど
なかった

選んだ道は
教職だ

教師なら
父親の影がない

そう思ったからだ

安易な考えだと
思ったが

深く考えるのも
面倒だった
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