愛して欲しいなんて言わない(番外編)
「俺からも条件を出す」

「だからお前には……」

「教師って職は責任があるから
すぐに辞められない
俺の条件を飲んでくれるなら
来年度いっぱいで仕事を辞めてもいい
あんたの会社の後継者として
働いてやる

条件を飲まないなら
俺は見合いもせずに教職を続ける

さあ、どうする?」

今度は親父がため息をついた
ソファの背もたれに
体を預けた親父が
足を組んで俺を睨んだ

「条件は?」

「飲みこむのか?
飲み込まないのか?
先に答を出せ」

「条件を受ける」

「なら、話す
小西理菜となら結婚する」

「よし、さっそく先方に連絡しよう」

親父は立ち上がると
部屋を出て行った
< 30 / 40 >

この作品をシェア

pagetop