流れ星
出会い
屋上
出会いは学校だった。
夕日が綺麗に見える屋上。
「なんで泣いてんの?」
屋上で泣いてるあたしに話しかけてきたのは、ガラが悪く、背の高い黒髪のかっこいい男子だった。
「べ、別に泣いてませんっ!」
初めて会った人に、泣いてる理由を簡単に話す人はいない。
あたしは泣いてないと強がった。
「話したくないならいいけど。
夕日………綺麗だろ。」
そう言い、男子が指さすさきには綺麗に輝く夕日があった。
………綺麗…。
実際、青春ドラマにありそうなオレンジ色をした夕日。
それがあたしの心に小さく溶け込んで、胸をときめかせた。
「………名前は?」
男子は夕日を見ながら話し出す。
「高橋朝陽(タカハシアサヒ)です。
ちなみに1年。
そっちは?」
「小此木夕陽(オコノギユウヒ)
2年。敬語。」
夕陽…………
「なんか……凄い。」
夕陽に朝陽………
偶然にもほどがあるでしょ。
「朝陽と夕陽が一緒にいるなっ!」
そう言い、笑う夕陽の顔は夕日に照らされて輝いて見えた。