流れ星




「……うぅっ…う……。」




屋上の死角になるところで寝てると、急に女の泣き声がした。

屋上で泣くとかドラマの見すぎだろ………迷惑。


せっかく一人の貴重な時間を女なんかに無駄にされたくないのに…………



そう思いながら泣き声のするほうを静かに覗いた。


そこにいたのは………

ボロボロに泣き崩れた知らない後輩だった。


あんなに泣いて何があったんだ?



顔は泣きすぎたせいか真っ赤になって、目も赤く腫れ上がっていた。


あんなになるまで泣く女は始めて見た…………。



「なんで泣いてんの?」



ついつい泣いてる女に声をかけてしまった。

俺に気付いた女がこっちを驚いたように見た。



「べ、別に泣いてませんっ!」



顔を真っ赤にしながら強がる。

どう見たって泣いてるだろ………


だから女ってダルいんだ。



「話したくないならいいけど。

夕日………綺麗だろ。」



いつまでもメソメソされるのはダルいから言ってみた。

すると女は、泣き止み夕日を見つめた。


こんな顔もできるのか…………



「………名前は?」



少しこの女に興味を持った。

周りにはこんな女いないからか?



「高橋朝陽(タカハシアサヒ)です。
ちなみに1年。
そっちは?」



………………朝陽

なんか名前も運命なんじゃないかってぐらいだな。

すげ…………



「小此木夕陽(オコノギユウヒ)
2年。敬語。」



「なんか……凄い。」


朝陽も俺の名前を聞き、感動してるらしい。

俺すら驚くんだから当たり前か。











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