流れ星
「元気だも〜ん。」
そう言うと心配そうだった恵介の顔が真剣な表情に変わった。
「元気ないよ。
志帆、俺なにかした?
最近ずっとそんな顔してる………
気付かないとでも思った?」
薄々気付いてる気がしてた。
それに恵介が気付かないわけないって思ってたよ。
けどね………
「恵介……ごめんなさい……」
「怒ってるわけじゃないんだよ。
………理由は……?」
………理由……か。
恵介が理由だって言ったら我が儘みたい……
「……ごめん…。」
言えないという意味をこめて謝った。
こんなに優しくしてくれてるのにこれ以上我が儘なんて………
そう思って謝ったのに恵介の顔は少し怒ってた。
「………志帆…。
俺、そんなに頼りないかな?」
「違うよっ!」
「違くないだろっ!」
そう言う恵介の顔は辛そうだった
めったに怒らない恵介が悲しそうに怒った………
「……そんなつもりじゃ…っ
ただ心配かけたくないから…」
そう言うとちょうど映画が始まり、恵介はあたしじゃなく映画を見始めた。
こんなつもりじゃなかったのに。
やっぱりあたしが悪かったの?
ただの我が儘を強がらずに言ってしまえば、恵介の辛そうな顔を見ずにすんだの………?
そんな顔が見たくて黙ってるわけじゃないのに………
ただ笑ってれば………