流れ星
映画を見てる間もずっと恵介の怒った顔が頭から離れなかった………。
めったに怒らない恵介をあたしは悲しくさせて、怒らせて…………
せっかくのデートが台無しだ。
映画の内容は、恋人の遠距離恋愛の話だった。
彼女の彼氏にたいしての心配と、彼氏の彼女にたいしての心配が交差してて切ないストーリー。
あたしだって恵介が心配だよ……
遠い場所にいるわけじゃない。
現に今、隣にいる………
けど距離なんか関係ないよ。
近くにいても、わからないことはたくさんあるし、不安なんかもう計り知れない。
それでも一緒にいたいと思うのは恵介だけだよ………
「……志帆、さっきはごめんな?
ついカッとなっちゃって……」
隣でそう言う恵介……
恵介がやっぱり優しいよ。
今回は恵介が悪いわけじゃないのに………
「あたしね……
大学の中の恵介を知らないから不安だったの。
もしかしたら浮気してるんじゃないかって考えたりもした………。
けど我が儘みたいで言えなかったの。」
正直に話すことにした。
恵介は悪くないのに、なのに謝ってくれた。
あたしにチャンスをくれた………