愛された時
父はあたしが知ってるだけでも4回は会社を変わっている。


私が小学校1年生の頃…


その頃、父は京都で単身赴任をしていた。もちろん仕事の都合で…


私と妹ショウコの中には『お父さん』がいなかったのだ。いなかったと言うより、知らなかったのほうが正しいのかも知れない。一緒に住んでいた記憶がないのだから…


一緒に暮らしていないお父さん。小さかったあたしにはまだ理解出来なかった。だから…『京都のオジさん』だった。実の父に向かって…オジさんって…読んでいた。


『オジさん』はうちに帰ってくる時いつもプレゼントをくれた。それが子供ながら嬉しかったし、家にくるのを楽しみにしてた。


それなのに、叱られると…
『京都に帰れ!』
なんて言っていたらしいあたし(笑)


久しぶりに会う子供を喜ばせたいと思う父の気持ちも知らずに…今思うとなんてヒドイ事を言っていたのだろうと思う。

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