奏であい
「けどな、彼女をつくるのに命を賭けれるなら話は別や」


大袈裟な……。


「そうか!命を捨てる覚悟は出来てるか!」


一言も喋ってねぇよ。


心の中で愚痴る俺を尻目に、トモヤがポケットからスライド式ケータイを取り出して画面を確認する。


「あ!ヤバい!相手の子らに8時集合、言うたのに!」


時計台を見てみると時刻は7時50分。

駅から集合場所のカラオケBOXまでは歩いて30分くらい。

……確かにヤバい。


「何ボサッとしてんねん!走るでヒロ!」


「おッ……おい!」


トモヤは俺の腕を握って走りだした。


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