奏であい
まるでこの学校にこの二人以外誰もいないと思わせるほどの静けさ。


沈黙の時間を破って喋りだしたのはヒロではなく女の子だった。


ヒロから腕を放し、一歩下がると、


「あの……その…、ありがとうございました!」


何故かお礼を言い、走って帰っていってしまった。

「待って!」


呼び止めようとしたが、もうすでに女の子は屋上にいなかった。


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