生徒vsテロリスト?
だから、
あたしは自分に賭けてみようと思って、
水華、木本と別れて行動することに決めた。
科学的に証明されてないものは、
絶対に信じなかったあたしだけど、
その『不思議な感覚』はなぜか信じられる…。
根拠もない、けどね。
……あたしの頬を、汗がつたう。
―――もう、男は、
あと3メートルほどであたし達までたどり着く距離のところまで来ている。
男の顔は、はっきりと見える。
端整な顔立ち。
いかにもホストで稼いでます、って感じ。
そして口元が、少し緩んでいる。
男の顔をじっとにらんでいると、男は突然、
「…あぁ、
なんて愛しいんだ、マドモアゼル!」
と、自分の体を自分の腕で抱き締めながら、そう言った。