生徒vsテロリスト?
「…『風よ』。」
と、あたしが文章の初めの一言を言うと、
肌に感じる風が少し強くなったような気がした。
なんだか、風があたしに応えてくれているような…。
「…き、気のせいかな?」
あたしはけっこう戸惑っていた。
『魔法』の存在に対して、
確かに好奇心を抱いたが、
心のどこかでまだ疑いを持っていた。
…だけど、
肌で感じたあの『風』。
確かに、あたしの『言葉』に反応しているような…。
「…岬、やっぱりお前、
すごいんじゃねぇのか?」
考え込むあたしの顔を覗き込んで言う。
「うーん…。」
「まぁさ、考え込んでないで、
先に進もうよ。
岬だって、
『どんなことも受け入れる』って、
決めたんだろ?」
…あたしは頷いた。