生徒vsテロリスト?
木本としては、
さっき突然襲ってきた男を水華は簡単に倒し、
一方の自分は怖じ気づいて、
男として情けない醜態を水華に対してさらしてしまったことに、
やりきれない思いを抱いていた。
「…まぁ、
はじめくんは弓道ラブだもんねー。
こんな状況だからこそ、
弓道場でリラックスしたかった、
ってこと?」
突然、水華が顔を覗き込んできたので、
木本は驚いて少しのけぞった。
笑顔の水華。
「お、おう。
そうだとも。」
明らかに挙動不審なのだが、
水華は分かっていない。
(弓道場に行けば、
もし敵が来ても俺の弓で倒せるかもしれない。
…そう思って来ただけなんだがな。
やはり…白川は『バカ』だな…………。
岬なら確実に俺の魂胆を見抜くが。)