生徒vsテロリスト?



「………うわー。」


中は案の定真っ暗だった。


開いた扉から差し込むわずかな光で、
かろうじて床が見えるほどだ。


(ど、どうする…?
なんか急に怖くなってきた……。)


広がる闇に、
さすがの沙弥も怖じ気づいてしまう。


一歩踏み出せないでいると、


沙弥の体は何かによって前に押された。


と同時に、


ギィィッ!
バタン!


と音を立てて、
扉が勝手に閉まった。


「いたっ……えっ?」


沙弥の視界から、光が消えた。


(な…何これ!
わけ分からん!!)


目を開けているのか閉じているのか、
全く分からない。


(とにかく…。
このまま後ろに下がって、
扉を開けよう。)


ゆっくりと立ち上がり、
後ろに下がっていく。


(こんなお決まりな展開はごめんだ!!)


わずかな希望にかけて、
沙弥は後ろに下がっていく…。


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