生徒vsテロリスト?



《ただ…。
これだけは言えます…。

『サヤ様ならやってくれる』と。》


ウサギは、沙弥の方に強い意志のこもった目を向けた。


「…うさたん……。」


《昔からハヤテ様をよく知っているサヤ様なら…。》


「…ん?
『昔』って、いつのこと?」


《サヤ様、ハヤテ様がまだ幼かった頃のことです。》


「それって…。
あたしの記憶が欠けてる時期だね…。」


《!!?

サヤ様、記憶がないのですかっ!?》


ウサギは、沙弥が小さい頃の記憶を失っていることを知らなかったらしい。


「あ、あれ?
うさたんは全部分かってるもんだと思ってたけど。」


《い、いえ…。
それは知りませんでした…。

…まさか、記憶を消したのは………。》


ウサギはそこまで言うと、
急にどもってしまった。


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